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議会質問案

まず児童相談所に求められる課題が多すぎるということに尽きます。たいていのやるべきことは子ども家庭庁などにより方針としてすでに明示されているものの、なかなか対応しきれていない現実があります。

所長による統制が十分に取れておらず、各担当者に判断が委ねられたり、本来果たすべき機能が果たせていなかったりするのです。

そこで現実を把握した上で、組織の改善をはかるべく、地方議会の質問を行う必要があります。したがって、議会質問の対象者は児童相談所長とすることが望まれます。

​そうすれば、議会質問を行うことで改善がはかられる可能性が大いにあるのではないでしょうか。

そしてその改善の事実を子ども家庭庁に知らせ、全国の児童相談所に改善を広げていく手順としてはいかがでしょうか。

​テーマ1 親族里親

親族里親を考えるにあたっての基本知識

 

1.知人里親を含む

2.日本では親族里親は、保護者(実親)の3親等内の親族で、保護者の養育が困難または不適当な場合に、児童相談所長が養育を委託する里親である。

3.児童相談所によって認定され、研修を受けることで、里親手当と一般生活費等が支払われる仕組みとなっている。

4.アメリカでは里親の約4割が親族里親である。アメリカが子どもの安全確保において家族・親族のネットワークを最大限に活用するという理念を重視していることの表れである。それに対し日本での親族里親として手続きが行われている比率は極めて少ない。実体はもっと多いと思われるが、その多くは親族里親としての手続きが行われておらず、実態が把握されていない。

5.親族里親の認定にあたっては実親の了解を必要とし、実親と里親(親族)が実質的な共同で養育を行う形態ではないものの、実親との関係が残ることから、施設や一般的な里親と異なり、子どもにとっても実親にとってもやさしい制度である。実親に戻すにあたっては児童相談所の措置が必要である。

5.児童相談所において親族里親を推進する体制となっていない。本来、一時保護となった子ども全員に親族里親の可能性を確認すべきだが、親族里親の担当者が明確になっていないことが、最大の欠点である。アメリカなど外国では親族知人と実親が集うファミリーグループ・カンファレンスが開かれているが、日本ではそのノウハウが組織として共有されていない。

 

【議員としてできること】

=議会質問を通して、親族里親の推進をはかること

1.各児童相談所(児相)における親族里親の年間新規委託件数、及び里親委託全体に占める親族里親の割合を提示されたい。また、親族里親への委託を積極的に進めるにあたり、今後の目標数値をどのように設定しているか。

2.一時保護措置をとった全ての子どもについて、児童相談所が3親等以内の親族ネットワークを体系的に調査し、親族による養育の可能性を初期段階で確認することを、標準的な業務フローとして義務化すべきではないか。

3.親族の意向を尊重した意思決定を促すため、ファミリーグループ・カンファレンス(FGC)の導入を推進すべきと考える。具体的に、FGCコーディネーターの養成研修を計画・実施し、年間開催目標件数を定めるべきではないか。また、親族里親支援を主導する専任の担当部署・担当者を各児相に配置する計画を提示されたい。

4.児童相談所の手続きを経ずに、既に実質的な親族養育(インフォーマル・キンシップケア)を行っている家庭が多数存在すると認識している。これらの家庭に対し、里親手当や専門的支援を受けられるよう、児相手続き(事後申請)を促すための具体的なアウトリーチ手法(広報、民生委員との連携、他部署からの情報連携など)とその実施計画を提示されたい。

子ども家庭庁に働きかけ、親族里親を全国的なムーブメントにすることを視野に入れてほしい。

​テーマ2 一時保護中の子どもの意思確認

一時保護中の子どもの意思確認について

  1. 一時保護は虐待のおそれのある場合、実親の了解なしに行われる

  2. 一番大事なのは子どもの意見の尊重である 子どもの権利条約により、子どもには自由に自分の意見を言える権利がある

  3. しかし、一時保護中の子どもの意思確認と説明が不十分な場合がある

  4. その場合、子どもの最善の利益が損なわれるため、是正が求められる

  5. 子どもの権利条約により、子どもには両親と共に暮らし、歩んでいく権利があり、例外は司法審査により分離が認められた場合のみである

  6. 次に実親のフォローが重要である

  7. 子どもとの会話から虐待の程度を確認するとともに、再発を防ぐための環境改善、精神面のフォローが求められる

 

【議員としてできること】

=下記の議会質問を通して、児童相談所長に改善を求めること

1. 一時保護における子どもの意思確認と意見表明の保障について

一時保護は、子どもの最善の利益を守るため、実親の同意なく行われ得る重要な措置ですが、憲法および子どもの権利条約に基づき、子どもには意見表明権が保障されています。一時保護中の子どもの意思確認と説明の現状について、具体的に改善を求めます。

Q1. 意思確認の具体的な手続きと体制

一時保護中の子どもの意思確認と権利に関する説明について、どのようなタイミングで、誰が(職種)、どのような手法で実施されているか。特に、年齢や発達段階に応じた、子どもが真に理解できるような工夫について伺います。

Q2. 児童心理司の専門性と意見の活用

児童心理司の専門性は、子どもの真の意思や心理状態を把握する上で不可欠です。児童心理司による子どもの意思確認の結果や意見は、一時保護の判断や、その後の司法審査における意見書作成において、どの程度尊重され、どのように反映されているか、そのプロセスを伺います。

Q3. 意思表明権を保障するための環境整備

子どもが自由に意見を言えるよう、施設内の相談体制(例:第三者による相談窓口の周知、匿名での意見提出方法など)は整備されているか。また、一時保護所長が、子どもの権利に関する研修を定期的に受けているか伺います。

2. 実親への継続的なフォローと家庭への早期再統合に向けた支援について

一時保護の目的は、子どもの安全確保だけでなく、家庭環境の改善と実親と子どもの再統合を目指すことです。再発防止と早期再統合のため、実親への寄り添った継続的な支援が重要と考えますが、その実態と効果について伺います。

 

Q4. 実親への継続的な支援体制

実親へのフォローアップについて、一時保護の担当者とは分離し、保健師や子ども家庭センターなど、地域の多職種と連携した継続的・専門的な支援(精神面のケア、生活環境改善支援等)が実態として機能しているか伺います。

Q5. 心理的フォローと公費による研修

親子の関係再構築に特化した公費による研修プログラムは用意されているか。用意されている場合、その対象者、内容、実施頻度、および研修の効果測定はどのように行われているか伺います。

Q6. 環境改善・研修効果と家庭復帰の迅速性

家庭環境が改善され、または研修の効果が十分に確認されたと判断された場合、子どもを実親のもとに戻す措置(解除)は、子どもの最善の利益を考慮しつつ、いかに迅速に行われているか、その判断基準と平均的な期間を伺います。

Q7. 再発防止のための出口支援

家庭復帰後も、再発を防ぐために子ども家庭センターなどと連携したアフターフォロー(出口支援)はどのように行われているか。支援の継続期間や再発防止率などの実績があれば伺います。

里親か施設か実親か

パーマネンシーの保障​

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