里親か施設か実親か
パーマネンシーの保障
改正児童福祉法概要

子ども家庭センターの設置とサポートプランの作成
○ 市区町村において、子ども家庭総合支援拠点(児童福祉)と子育て世代包括支援センター(母子保健)の設立の意義 や機能は維持した上で組織を見直し、全ての妊産婦、子育て世帯、こどもへ一体的に相談支援を行う機能を有する機関 (こども家庭センター)の設置に努めることとする。
※ 子ども家庭総合支援拠点:635自治体、716箇所、子育て世代包括支援センター:1,603自治体、2,451箇所 (令和3年4月時点)
○ この相談機関では、妊娠届から妊産婦支援、子育てやこどもに関する相談を受けて支援をつなぐためのマネジメント (サポートプランの作成)等を担う。
※ 児童及び妊産婦の福祉に関する把握・情報提供・相談等、支援を要するこども・妊産婦等へのサポートプランの作成、母子保健の相談等を市区町村の行わな ければならない業務として位置づけ
市町村における子育て家庭への支援の充実
○ 要支援・要保護児童(※1)は約23万人、特定妊婦(※2)は約0.8万人とされる中、支援の充実が求められている。
※1 保護者への養育支援が特に必要、保護者による監護が不適当な児童
※2 出産前において出産後の養育支援が必要な妊婦
○ 地域子ども・子育て支援事業において、訪問型支援、通所型支援、短期入所支援の種類・量・質の充実を図るととも に、親子関係の構築に向けた支援を行う。
○ 市区町村において計画的整備を行い、特に、支援が必要な者に対しては市区町村が利用勧奨・措置を実施する。
都道府県等・児童相談所による支援の強化
○ 児童相談所の業務負荷が著しく増大する中で、民間と協働し、支援の強化を図る必要がある。
○ このため、民間に委託した場合の在宅指導措置の費用を施設等への措置の費用と同様に義務的経費にするとともに、
① 措置解除等の際に親子の生活の再開等を図るため、親子再統合支援事業を制度に位置づける。
② 家庭養育の推進により児童の養育環境を向上させるため、里親支援センターを児童福祉施設として位置づける。
○ 妊婦に対する寄り添いや心理的ケア、出産支援、産後の生活支援など支援を必要とする妊婦に対する包括的な支援事業を制度に位置づける。

社会的養育経験者の自立支援
○ 施設入所等の措置等を解除された者等(措置解除者等)の実情を把握し、その自立のために必要な援助を行うことに ついて、都道府県が行わなければならない業務にするとともに、
① 児童自立生活援助事業の対象者等の年齢要件等を弾力化する、
② 生活・就労・自立に関する相談等の機会や措置解除者等の間の相互相談等の場を提供する事業を制度に位置づける。
※ 措置解除者等:年間7,964人(令和元年度)
子どもの意見聴取等の仕組みの整備
○ 都道府県等において、引き続き、こどもの権利擁護の取組みを推進するため、
① こどもの権利擁護の環境整備を行うことを都道府県等の業務として位置づけ、
② 都道府県知事又は児童相談所長が行う措置等の決定時において、こどもの意見聴取等を行うこととし、
③ こどもの意見表明等を支援するための事業を制度に位置づけ、その体制整備に努めることとする。
一時保護の開始時の司法審査等
<一時保護開始時の適正手続の確保(司法審査)>
〇 一時保護の適正性の確保や手続の透明性の確保のため、一時保護開始の判断に関する司法審査を導入する。
☑裁判官が発付する一時保護状による方法(事前又は保護開始から7日以内に児童相談所は書面で請求)とする。
☑対象として、親権者等が一時保護に同意した場合や請求までに一時保護を解除した場合等は除く。 ☑児童虐待のおそれがあるときなど、一時保護の要件を法令上明確化。その要件に該当するときは、明らかに一時 保護の必要がないと認めるときを除き、裁判官は一時保護状を発付する。
☑一時保護状発付の請求が却下された場合、一時保護を解除した際にこどもの生命及び心身に重大な危害が生じる おそれがあるときには、児童相談所からの不服申立手続を設ける(却下の翌日から3日以内にその取消を請求)
<一時保護施設の設備・運営基準の策定等>
〇 ケアの困難度が高いこどもの入所という一時保護施設の特性を踏まえ、新たに設備・運営基準を策定し、下記の内 容等を規定する。
・一時保護施設におけるケアの質を外部の視点でチェックし、必要な改善につなげるため、一時保護施設が第三者評価を受けることとする。
○ 児童相談所が措置を講じるに当たって、地方自治体、医療機関、医学に関する大学、児童福祉施設、こどもが在籍 する学校など関係機関から、情報の提供や意見の開陳など必要な協力を求めることができることを明記する。