里親入門 第一歩はフレンドホームから
虐待の種類と件数
児童相談所による児童虐待相談対応
2022度の児童相談所による児童虐待相談対応件数(速報値)では、件数は21万9,170件で、前年度より11,510件(+5.5%)増え、過去最多を更新しました。20年前の約12倍です。
増加理由としては、社会の虐待問題に対する認識が高まり、通報意識が高くなっていること。家族の機能が弱くなり、生活苦のとばっちりが子どもに向かうためと考えられます。
心理的虐待12万9,484件(全体の59.1%)、身体的虐待5万1,679件(23.6%)、ネグレクト3万5,556件(16.2%)、性的虐待2,451件(1.1%)となっています。前年度比では、増加率順に、ネグレクトが+13.0%(4,108件の増加)、性的虐待が+9.0%(204件の増加)、身体的虐待が+4.9%(2,438件の増加)、
心理的虐待が+3.8%(4,760件の増加)となっています。
心理的虐待とは、大声や脅しなどで恐怖に陥れる、無視や拒否的な態度をとる、著しく兄弟間差別をする、自尊心を傷つける言葉を繰り返し使って傷つける、子どもがドメスティック・バイオレンスを目撃する、など。
主たる虐待者
2019年度の対応件数における主たる虐待者の構成をみると、実母の割合が46.9%と最も高いものの、実父の割合も年々増加し40.7%となっていることが特徴です。 また、実父以外の父親が6.1%、実母以外の母親が0.6%となっています。
2018年度の段階で検挙人員は1419件、2003年度の5.9倍となっています。加害者の43.8%(622件)が実父、実父以外の父親(養父・継父・母親の内縁の夫)が27.7%(393件)を占めています。実母は24.8% (352件)となり、父親等による加害の割合が7割以上を占めていることが分かります。また、父親等による性犯罪(強制性交・強制わいせつ) が検挙件数の12.8%(181件)を占めるなど、深刻度の高い犯罪において、男性が加害者になっている状況が読み取れます。
相談経路
2022年度、相談の経路別件数は、多い順に、警察等11万2,965件(全体の51.5%)、近隣知人2万4,174件(11.0%)、家族親戚1万8,436件(8.4%)、学校1万4,987件(6.8%)となっています。
死亡事例
日本小児科学会の研究報告では300人以上(心中以外)とされ、多くの虐待死が見逃されている可能性があります。
2022年度、〇心中以外の虐待死(50例/50人)について
死亡したこどもの年齢 「0歳」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 24人(48.0%)
0歳のうち「月齢0か月児」… 6人(25.0%) 3歳未満… 31人(62.0%)
○ 主な虐待の類型 「身体的虐待」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 21人(42.0%)
「ネグレクト」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 14人(28.0%)
○ 主たる加害者 「実母」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20人(40.0%)
「実父」… 6人(12.0%)「実母と実父」… 3人(6.0%)
となっています。